2015年11月3日火曜日

久々にCF系のピアノ

久々にCFⅢの調律でした、日頃スタインウェイばっかり触ってるとなかなかヤマハのピアノを触る機会が少なくなっていたのですが、久々のCF系のピアノに何故かテンション上がりながら仕事してました。
CF系のピアノは出始めから現行のCFXまで全て触って来ていますが、このⅢの頃が、楽器業界が一番活気があった頃ではないでしょうか。
ヤマハのアカデミーなんかも沢山技術の勉強に来てたし、楽器も売れたし。
個人的には好きな楽器です、派手さはないですが、よく出来てます。CF系のピアノ触ってると、保守の時なんかによく感じましたが、基準をちゃんと取ってやって、マニュアル通りに調整してやると、キチンと動くそんな感じがします。



歴代のフルコンの中で、鉄骨の開口部の大きなカットが特徴ですが、
開口が大きいと言う事は強度が落ちると言う事でもあるので、開口が大きく
細く見えている部分の鉄骨は補強するため響板の方にぶ厚くなっています。
他のシリーズではみた事無い程分厚いです。
朝一に調律してピアノは冷え冷え、その後館のエアコンを一気に入れられ照明も加わり
昼前にはピアノが触って熱く感じる程。
リハが終わってから急いで音を拾って….。とこんな感じで、田舎のホールではよく
ある事ですが、本番直前まで安心して帰れないのもいつもの事です。
せめて、レコーディングスタジオとまでは行かないでも、湿度と気温の変化だけは
最小限にして欲しいものですが、多くも望めないです。
今日一日出演者の方お疲れ様でした。
良い思い出になれば良いな…。






2015年4月10日金曜日

面白い構造のオーバーダンパーアクション

日頃FBばかり更新してると、肝心なブログの方がそのまんまになるので、たまにはピアノネタで更新します。
先日仕入れたWEBERのピアノですが、面白いオーバーダンパー構造でした。
外装は派手ですが、奇麗なブックマッチのツキ板の貼り合わせです。




ブランド名の横にコインが埋め込まれています。
象牙の鍵盤は新品の象牙に貼り替えた方が無難な気もします、少し減って来てるので。
象牙もクレードによって鍵盤の値段が結構違います、幸い切り貼りの象牙鍵盤は少し値段が安いのですが、一枚モノで厚みがあって奇麗な鍵盤は値段が極端に高くなります。
最近は象牙の在庫も色々な理由で増えて来ているようで、先日象牙鍵盤のメーカーに聞いたら、暫く辞めていた象牙鍵盤の製作を再会して象牙鍵盤も豊富にあるとの事でした。
今迄はピアノパーツ屋で象牙鍵盤仕入れてましたが、それより選択肢が増えそうです。
 



ちなみにこれは最高ランクの象牙鍵盤、この板だけで30万程します。
一番安いランクの鍵盤でも10万近くするので、やはり象牙鍵盤は高い代物です。
張り替えの手間もアクリル鍵盤より面倒なので、どうしてもこの修理作業行うだけで、ぴあのの値段が数十万ポンと跳ね上がります。


さて問題はアクションです。
見ての通り、アクションを取り出すのに鍵盤のキーフレームが一緒について来ます。
通常のオーバーダンパーなら、アクション部のみ外れますが、このピアノ何するにもアクションを前に引き出す必要があります。




この状態でブラケットのネジを外せば、鍵盤と分離となります。




何でこんなややこしい構造かと言うと、このピアノ、ソフトペダルではなくシフトペダル構造なので、左のペダルを踏むと、ハンマーレールのみ右にスライドします。
東洋ピアノ以外で久々にこの構造のアクションを見ました。
東洋ピアノに比べればとてもシンプルな構造ですが、丁寧な作りです。


アクション外すだけで、棚板はこんな感じ、ある意味修理はし易いです。
巻線は銀巻線、これはこれでまた銀巻きしてくれる所を探さないといけませんが、
オリジナルにこだわるか、計算し直して銅巻線にするかですが、オリジナルでしょうね。




弦は全て一本掛け、この辺もドイツのピアノらしいですね。
ツボ作りは面倒ですが、僕はこちらの方が調律し易いので好きです。




もう一つ嬉しいのはブリッジが簡単に交換出来ます。
この辺は嬉しいですよね、鉄骨にそのまんま乗ってるだけだと、削って弦溝消すしかないですが、これなら簡単に新品感覚が味わえます。



仕事の合間に少しずつオーバーホール進行予定です。
完成何時になるやら……。

2015年1月5日月曜日

コンサートのお知らせ

今年もスタートしました、という事でコンサートのお知らせです。
近い日程から、1月18日にピアニストの上野山彩子さんとソプラノの矢倉愛さんのコンサートがあります。会場は上野山彩子さんの自宅音楽サロンです。
ピアノとチェンバロそしてソプラノの贅沢なコンサートになると思いますので、ご都合の
合う方は是非この機会に、少人数でのコンサートになりますので。要予約です。




そして映画を奏でる音楽会、in海南
前回までクラシック中心のプログラムでしたが、今回はガラリと変わって色々なジャンルの方が演奏してくれます。
なかなか聴く事の出来ない組み合わせのプログラムになっていますので是非この機会に
コンサートに足を運んで頂ければ嬉しいです。



2014年11月17日月曜日

星降る町の音楽会

最近忙し過ぎてゆっくりブログも書いていられませんが、今日も朝からコンサートの仕事に行って来ました。
朝からかなり冷え込んだ事もあり、調律開始からリハ入り、リハ中でどんどん気温が上がって行って、最終調律開始時より10度以上気温が変わったのですが、何とか音も持ちこたえてくれて、なかなかいい状態で本番を迎えられました。




今回はMC用とクラッシックギターの音量を稼ぐ為に少しPAも必要だったので、調律後すぐにセッティングして、音出ししてと、結構忙しい一日でした。D型も一日よく頑張ってくれました。




今回はタイムドメインラボのプロトタイプユニットが入った自作スピーカーを持ち込んでいたのですが、興味のある方何人かに色々と質問されました。
興味のある方はタイムドメイン本社けいはんなプラザ試聴室で本物のyoshii9を堪能出来ますので、行ってみて下さい。一々説明するのも面倒なので、実際聞いてみればどんなスピーかーか分かると思います。最終好みの問題ですが、オーディオの世界も奥が深いです。

    
   上野山彩子(ピアノ) 小谷允城(ギター)

今日も一日素敵な演奏が聴けたし、それなりに体力も使ったので、気持よく眠れそうです。今日来て頂いたお客様、本当に有り難う御座いました。スタッフの皆さんもお疲れ様でした。楽しい一日になりました。素敵な音色でした。スタインウェイも喜んでると思います。

2014年10月22日水曜日

ずぼらなブログ

最近全くネットでのブログ更新も出来ていません、と言うかFBやそれ以外でも自ら発信して何か情報を出す事に時間の余裕がないのが現状です、気が付けばずぼらなブログになってしまっていますが、たまには更新…..。

という事で、写真はスタインウェイのダンパー部。
どちらもD型ですが、こちらは現行タイプのソステヌートのロッドがピアノ側に付いているタイプ。


こちらは旧タイプのロッドがアクション側にあるタイプのダンパー部。


ロッドがアクション側に付いています。
どっちに付いても同じじゃあない? って思われるかも知れませんが、調整方法は違って来ます。手順はどうあれ、ピアニストにとっては結構使用頻度が高いペダルなので、きちんと調整されていないとピアニストは集中して演奏出来ません。
時々同業者で「ソステヌートなんて使う人あんまりないから、適当でいいよ」なんて事を平気で言う方が居ますが、そんな事はありありません、出先でソステヌートだけほったらかしにされてるのも結構あるので、気をつけたい所です。




ピアノの仕事の合間に先日PAで仕事させて頂いた、 黎明館。
広くて奇麗なホールでした。



イベント音の祈り『全ての意思を音に代えて祈ろう』この趣旨の通り皆音に魂を込めて音を奏でていました。




何よりも心に残ったのは安藤栄作さんの斧の音、日頃私も木から何かを産み出す行為を行っています、それは時にバイオリンだったり、他の楽器だったり、何か思いを込めて木を刻んでいるつもりですが、これほどの集中力で木と向かい合う人の姿って言うのは見た事がありませんでした、殺気さえ感じる程の迫力と、その振りかざした斧から出て来る重い大きな音に圧倒されました。





しかも斧で切り刻んだ木材がそのまんまピタッと木が自立して静止する事にも驚き。




新しい命も乗っかり、最初からそこに在ったかのような存在感、
魂込めて産み出したものって言うのは、やはり何か感じるものがあります。
この日出会った人達は皆いい顔をしていました。
自分も含めて….。





2014年7月31日木曜日

調律師のマニュアル

調律師にはマニュアルが沢山あります、調律〜調整、修理、塗装まで色々なマニュアルが存在するのですが、それぞれのメーカーによっても、マニュアルは異なります、下の写真はよく使うマニュアルの一部ですが
上段左から
STEINWAY SERVICE MANUAL (MAX MATTHIAS)(独・英語)
先日購入した,World-Wide Technical Reference Gaide STEINWAY & SONS(英語)
ヤマハコンサートグランド 保守点検マニュアル
テクニカルアカデミー ピアノ技術の基本解説
下段
スタンウェイのサービスマニュアル、これは旧マニュアルと改訂増補版があります
ヤマハグランドピアの整調整音マニュアル
京都ピアノの技術テキストⅡ
何故か京ピもアカデミーも教科書は緑ですね。
ヤマハのマニュアルはグランド、マスター、コンサートのそれぞれの研修で配布されるモノですし、スタインウェイのマニュアルもステップⅡで配布され、アドバンス研修でも使用していました。





今回白川ピアノさんから分けて頂いたマニュアル、これはスタインウェイを触る人間にはとっても良い資料だと思います、事細かく色々な寸法や基準が記載されていますし、写真類もカラーで見やすいです。これは買いです。




 それと、これは先日ST会の全国大会の際に行われた、技術関連のDVDで、内容は、ついさっきまで演奏に使用してたスタインウェイのフルコンを技術者が寄って集って分解してしまおうってイベントの内容です、私は当日ホールの前の方で見学してたので、客席に自分も映り込んでるのですが、外装〜アクション、ダンパー、金具類、弦、ピン外して、最終鉄骨を素手で皆で持ち上げて鉄骨を裏返して、皆で検証って感じでした、その後鉄骨は戻して工房行きでしたが、大人数でやれば、2時間もあればフルコンの鉄骨が簡単に外れてしまうのは面白いです。それに、鉄骨のネジの固着が全くない!!本当は、皆この先が見たいはずなんですが、これはこれでパフォーマンス的にはインパクトあったと思います。
オーバーホールの経験のない技術者は、鉄骨すら上げた事ない人も沢山いるとは思うので。ST会以外では出回らないDVDですが、面白いと思います。



2014年7月10日木曜日

先日納品したグランド

先日納品したグランド、お客様が一目惚れして購入が決まったのでですが、スタインウェイや何処にでもあるピアノをあえて選択しないのも個性だし、音が気に入られていたので、こちらは如何に楽に弾いてもらえるかを考えるだけです。
写真は塗装の修理が終わって粗調整が終わった時の物です。
出入りのある業者の工房で納品を待つだけの状態。




アメリカでは歴史的に名の通ったピアノですが、技術者以外では全く知名度はないと思います。





アクションも個性的です。




 この手のピアノは調整に手こずりますが、お客様の希望に答えられるようコツコツ作業するだけです。なかなか面白い構造です。