2012年5月29日火曜日

Bostonピアノ納品

先日販売したBostonの納品調律をして来ました。
ピアノ自体バランス良くお客様も喜んで頂いていて、今回Bostonにして本当に良かったと感謝して頂き、勧め甲斐がありました。



響板にはスタインウェイによって設計されている事を物語っているステンシルが見えます。



奇麗なアクションです。





ダンパーはこんな感じです。




サイズがGP178PEなのでピン板にもサイズがマジックで書かれています。



鍵盤蓋にも刻印があります。



ボストンに関しては、賛否両論あると思います。悪い評価の大半はきちんと調整されていないボストンを弾いた印象があまりにも悪くと言った事が多いように思います、基準に基づきキチンと調整されたボストンは同じ価格帯のピアノの中では優れたピアノだと思います。
それだけに技術の人間がどこまで追求するかだと思います。
今回納品したGP178PEは気持の良いピアノでした。しばらくその前に座って触っていたいと感じる程、バランスの取れたピアノでした。
これから毎日ピアノの部屋の扉を開くのが楽しくなると思います。長くいい状態で楽しんでもらえるようにこちらもこれからきっちり調整していかないといけません。責任重大です。

2012年5月18日金曜日

「marée haute Theater」

少し前になってしまいましたが、先日EGO-WRAPPINのライブの仕事でラブラックカフェのピアノをライブのリハ前に調整してたのですが、調律よりも修理と言った感じで時計とにらめっこしながらリハまで何とか弾けるピアノに仕上げると言った状態でした。
なんせリハ前に鍵盤のブッシング張り替えしないといけない状態で、古いピアノを使用する際は色々とあります。

随分年代モノのNO,20です。今まで何台もこのピアノに関わっていますが、年代が年代だけに色々苦労もあります。
美しい足を持つピアノですが、修理せんことにはライブには....。と言う事でリハ前と言うのにブッシングの張り替えからの作業です。




演奏者が見たら不安になるかも知れない光景です、なんせリハ前に鍵盤のブッシングの張り替えなんて普通しませんから。
技術者にとってもよっぽど自信ないと出来ないと思います、って言うか普通はしないと思います(笑)。
見なかった事にして修理せずにこれで我慢して下さいって言えるけど、そんなんでいいライブ出来るはずがないのでとにかくガタガタの鍵盤を修理しました。



時計を見ながら、組立と鍵盤調整、調律の時間を計算してリハ入りの時間までに完成させるのに必死です。




勿論リハの時間には整調も調律も終え完全な状態で組み上がったピアノが演奏者を迎えました。
何事もなかったかのようにリハに突入。良恵さんからはこのピアノ凄い弾き易い!!の声が。この一言で全ては報われました。
古いピアノだったので限界はありますが、演奏者が喜んでくれるならそれはそれでOK。



リハを進めると時間と共に夕陽の時刻が訪れます。




夕陽のオレンジ色がカフェ中に広がるのも面白いです。




夜は夜で照明で照らされるステージがいい感じです。




照明に照らされると如何にも古めかしいピアノがいい感じですね。
因にピアノ椅子が無かったので、ピアノに合った椅子を持ち込みました。以前引退間際の椅子職人さんに頼んで張り替えたてもらったピアノ椅子なのですが、ベッチンが奇麗で自分でも気に入っています。実はこれピアノより古くて大正時代の椅子なんです。





後ろにある石工の胸像は意味不明ですが、何故か景観にとけ込んでいます。




ちなみに有田はミカン所、という事で観客席はミカンコンテナ。身近なモノで代用です。



二階からは有田の海が一望。夕陽が奇麗なんですが、僕の安物デジカメでは奇麗に写らない(汗)



二階の窓は棒で押し上げてるだけ、でも便利なんです、これ。ちなみに強風の時は開けない方がいい感じです。



ライブ当日は200人以上の方が来場してくれました。チケットは発売してすぐに完売したそうです。




今回のライブのもう一つの主役はこのタイムドメインの業務用スピーカーでした。
Yoshii9よりももう一回り太いサイズのスピーカーですが、2本ずつペアで左右に4本。これだけでライブの音響をまかなっていました。
丁度リハの前日僕が納品したYoshii9のアフターサービスでタイムドメインの社員と色々作業しながら話していたところで、
まさか次の日にまたタイムドメイン関連の人間に会うとは思っていませんでした。奇遇です。