2015年4月10日金曜日

面白い構造のオーバーダンパーアクション

日頃FBばかり更新してると、肝心なブログの方がそのまんまになるので、たまにはピアノネタで更新します。
先日仕入れたWEBERのピアノですが、面白いオーバーダンパー構造でした。
外装は派手ですが、奇麗なブックマッチのツキ板の貼り合わせです。




ブランド名の横にコインが埋め込まれています。
象牙の鍵盤は新品の象牙に貼り替えた方が無難な気もします、少し減って来てるので。
象牙もクレードによって鍵盤の値段が結構違います、幸い切り貼りの象牙鍵盤は少し値段が安いのですが、一枚モノで厚みがあって奇麗な鍵盤は値段が極端に高くなります。
最近は象牙の在庫も色々な理由で増えて来ているようで、先日象牙鍵盤のメーカーに聞いたら、暫く辞めていた象牙鍵盤の製作を再会して象牙鍵盤も豊富にあるとの事でした。
今迄はピアノパーツ屋で象牙鍵盤仕入れてましたが、それより選択肢が増えそうです。
 



ちなみにこれは最高ランクの象牙鍵盤、この板だけで30万程します。
一番安いランクの鍵盤でも10万近くするので、やはり象牙鍵盤は高い代物です。
張り替えの手間もアクリル鍵盤より面倒なので、どうしてもこの修理作業行うだけで、ぴあのの値段が数十万ポンと跳ね上がります。


さて問題はアクションです。
見ての通り、アクションを取り出すのに鍵盤のキーフレームが一緒について来ます。
通常のオーバーダンパーなら、アクション部のみ外れますが、このピアノ何するにもアクションを前に引き出す必要があります。




この状態でブラケットのネジを外せば、鍵盤と分離となります。




何でこんなややこしい構造かと言うと、このピアノ、ソフトペダルではなくシフトペダル構造なので、左のペダルを踏むと、ハンマーレールのみ右にスライドします。
東洋ピアノ以外で久々にこの構造のアクションを見ました。
東洋ピアノに比べればとてもシンプルな構造ですが、丁寧な作りです。


アクション外すだけで、棚板はこんな感じ、ある意味修理はし易いです。
巻線は銀巻線、これはこれでまた銀巻きしてくれる所を探さないといけませんが、
オリジナルにこだわるか、計算し直して銅巻線にするかですが、オリジナルでしょうね。




弦は全て一本掛け、この辺もドイツのピアノらしいですね。
ツボ作りは面倒ですが、僕はこちらの方が調律し易いので好きです。




もう一つ嬉しいのはブリッジが簡単に交換出来ます。
この辺は嬉しいですよね、鉄骨にそのまんま乗ってるだけだと、削って弦溝消すしかないですが、これなら簡単に新品感覚が味わえます。



仕事の合間に少しずつオーバーホール進行予定です。
完成何時になるやら……。